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国家狂乱 番外編

 先日TBSでうじきつよしさんと御父上がかつての戦場をたびするという番組を放送していた。うじき氏の御父上は元陸軍大尉でベトナムで戦車部隊を指揮し、そこで捕虜となったということである。B級戦犯で終身労働の刑が出たが生き延び、帰還された。
 番組ではうじき氏が「戦争は何があっても駄目だ」「あなたは人を殺してどうおもうのか」と連呼したのに対し、ディレクターが最後家族を守るためなら戦争賛成を表明するという、いままでのTBSらしからぬ内容になっていました。いや普通のマスコミ人が増えてきたというべきか。

 我が国では8/15に戦争終結の玉音放送があったことから、この日を大東亜戦争終戦の日としている(実際にポツダム宣言を受諾したのはもう半月ほど先であった)。本日はこの終戦の日といいうことで亡き祖父への様々について語ろうとおもう。勿論あの戦争を体験している。

 祖父は1913-14年頃生まれている。大正の生まれである。無論ここにでてくる長者には足下にも及ばぬであろうが、神戸の商家で相当の金持ちであったと聞いている。小学校、中学校、高校と進み、京都帝国大学医学部へ行かれたと聞いている。おそらく1935年前後のことであろうか。日本の状況はすでに対支那戦争、満州国、日独伊三国同盟などが叫ばれていたころではなかろうかとおもう。おもうというのは祖父は過去についてはほとんど話さないし、私も年齢が幼く聞く事が難しかったのだ。祖父は戦争は駄目だということは言っていたが、具体的な事は話さなかった。しかし、亡くなった今ある一つの仮説が私の頭の中にある。

 京都帝国大学医学部へ入学した祖父、しかしながらそこを中退した。周囲は血を見るのが嫌いで性格的に弱いから駄目だったと祖母も含め評していたし、本人も否定しなかった。だが、私の推測はちがう。祖父は人間として耐えられないある事実を知ってしまったのではなかろうか。後の731部隊へと発展した人体実験である。その事実に衝撃を受けた祖父は、人間としての一線を超えたくないとの強い思いから中退したと考えてみると辻褄が合う。
 死の2-3年前から「自分は罪深い人間である」と周囲に言っていたそうである。クリスチャンであったため「原罪」を悔い改めていると周囲は思っているようだが、私は青年時代のことを言っているように聞こえる。

  そして医学部を中退した祖父は農学部へ編入し農学博士となった。結婚もした。そして
農業指導者として、当時支那政府の首都である南京へと渡る。ここで私の母親が生まれたのである。周囲には常に3-4人のお手伝いがいたそうで、母はよく遊んでもらったそうである、クーニャンと呼んでいた。

  だが、敗戦が避けられない1945年初春、ついに祖父に召集令状が出る。家族はさきに日本へと帰る事になり軍事輸送船に乗る事になったが、土壇場で乗せてもらえなかったそうである。やむなくそのあとの商船にのることになったそうであるが、母たちが乗るはずだった輸送船は潜水艦の魚雷で沈んだそうである。そして母らを乗せた商船が奇跡的に無事に祖国へ到着できたのである。

  祖父は陸軍2等兵として、30-40kgの装備を背負い、ひたすら北へ行軍したということである。対ソ戦に備えてのことだろうとおもうが、家族の写真1枚だけを励みにじっと耐えたとのことである。だが戦う事無く終戦を迎えたそうである。

 戦後は引き揚げ後バラックからの生活で貧しかったそうであるが、祖父は常に無口であまり何も語らなかったそうである。私も温厚なイメージしかないが、何故そうなったのかを考えていくと、あの時しか考えられない。見てはいけないものを見たのか、聞いてしまったのだろう。それが人生を変えた、そう思っている。尚、終戦で生き残ったのは兄弟で祖父だけであり、子供は男子に恵まれなかったためこの家は途絶えることになったが、祖父はそれで良しとしている。

  うじきさんの父親もディレクターに戦争のことは誰にも話したくないといったそうである。「息子に聞かれる、だから話しているんだ」と言ったそうである。その父を犯罪者のごとく責め立てるうじき氏に、私はある種の嫌悪感を感じてしまった。

                           平成21年8月15日
                            cbu66810拝


 
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昭和が終わって二十年、そろそろあの六十数年を最初から最後まで総括し新しい時代に向けて一歩をふみだす時に来ています。

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